2015年11月30日
ISを知るには”アラビアのローレンス”を見よ! 2085号
(映画”アラビアのロレンス”)
パリ同時多発テロ事件の後、「これは戦争だ!」といってオランド大統領が欧米各国の首脳に矢継ぎ早に合い協力を要請したのは報道などでご存意だと思う。
ただここで気をつけなければならないのは、今回のパリで起きたテロ事件をイスラム教徒からの挑戦だと短絡的に考えないことだ。
テロ組織ISの存在を許すわけではないが、中東の歴史を振り返って冷静に分析しないと、ISの問題を見誤る可能性があるからだ。
第一次世界大戦から今日に至るまで、欧米諸国による傍若無人な介入で中東が滅茶苦茶にされたという感情がアラブ人の世界では今だに根強い。
特に当時の大英帝国とフランスによる(中東諸国からいわせると)デタラメな中東の国境分割の火種は今日まで脈々と燃え続けている。
第一次世界大戦時の大英帝国が取った手は、まず、オスマン朝支配下に反発するアラブ人たちに独立を約束して反乱を起こさせた。
その先頭に立って反乱軍を指揮しシリアに入って行ったのが大英帝国軍人でお馴染みの”アラビアのロレンス”だ。
反乱軍の勝利に終わった戦いの後、シリアにはハーシム家率いる王国があったが、オスマン朝から奪ったイラクに強引に王家を移させ、シリアの権益をフランスに与えた。
オスマン朝打倒作戦の前から、大英帝国はフランスにシリアの権益を与える約束をしていたのだ。
大英帝国とフランスの密約をシリアは当然知ることはなく、突然、フランスの植民地同然になったのだからシリアのフランスに対する恨みは強かったのはいうまでもない。
更に大英帝国とフランスが資源ナショナリズムの疾風の中、中東地域に勝手に国境の線引きをし現代の中東諸国を誕生させた。
そこへ軍事的に力をつけたアメリカが中東諸国を結果としてかき回し壊したのだから、誇り高いアラブ人が憤懣やるかたない感情に陥ったのは事実だ。
今回のテロ事件でフランスが狙われた背景には、そうした過去の恨みの歴史があったことを知る必要があるし、アラブの人々の間にISの存在を正当化して受け入れられる土壌があるということだけは認識しなければならないと思う。
オランド大統領の「これは戦争だ!」の発言を待たずに既にアラブの人々の心の中にはずっと「戦争」が続いていて、今また「戦争」を仕掛けてきたと見るのが妥当と考えるのだが、さて・・・・・。
時間の許す方は、ピ-ター・オトゥール主演の映画”アラビアのロレンス”をご覧頂くのを勧めたい。
オスマン朝に対するアラブ人の反乱を支援した実在の人物、英軍人のトーマス・エドワード・ロレンスをモデルにした映画で、アカデミー賞受賞作品だ。
ところで、今午後4時を過ぎた。
これから心臓疾患のある親戚の方を私が親しくしている心臓血管外科医に紹介するため出かける。
今日の那覇市は朝からいい天気だった。
気温は25~26度だが、風があり心地良い陽気だ。
それでは皆様、”この後も感謝の心だ~!”
琉歌 千七百八十五
「中東アラビアの(ちゅうとうあらびあぬ) ローレンス姿(ろうれんすしがた) 西の日当たり(いりぬふぃひあたい) 風が回り(かじがまあい)」
「中東アラビアの ローレンス姿 西の日当たり 風が回り」
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Posted by 山川のりじ at 16:13
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